Renovation リノベーション

リノベーションについて

僕は建築の実務経験をロンドンを拠点にするジョン・ポーソンという建築家の事務所からスタートしています。その事務所での経験やロンドンでの生活は、いまも僕に影響を与えています。

ロンドンでの設計実務の多くは、テラスハウスと呼ばれる100年以上経った集合住宅のリノベーションでした。古いものを大事にするヨーロッパの多くの都市では、新しい建築が市内に建てられることはまれで、改装などのインテリア設計も建築家の大きな仕事です。人々は、建物が新しくなくても、デザインは新しいものを求めます。建築家は、伝統的な建築のもつ歴史的な価値を継承しつつ、環境にも配慮した新しい空間をそこに実現しなければなりません。そこにあるものへの敬意と寛容さ、柔軟な創造力が必要とされるのです。

ここで紹介するのは、僕が担当したジョン・ポーソンの自邸です。
これは、ロンドンのノッティングヒルにある19世紀に建造されたテラスハウスの改装プロジェクトでした。ロンドンでは、既存建物の保存が地区によって決められており、この建物も外装の保存が義務づけられていました。
我々は、この建物を基礎から補修し、床の耐久性を向上させるため、痛みの激しい古い木造の床を全て撤去して、大判の石の床でも支えうる強固なものにしました。プランは、各階1つのスペースを基本に、外部と内部の関係が強く感じられるものにしました。
ジョン・ポーソンの建築らしく、要素が極めて少ない、禁欲的なデザインですが、光と石、木などの素材が織りなす豊かな空間が広がっています。

2001年に建築設計事務所を設立してから10年近くになります。
この1、2年で新築が中心であった日本の建築業界も大きく変わってきました。環境への配慮が重視されるようになり、スクラップ・アンド・ビルトからストック型の社会構築が叫ばれるようになりました。
高度成長期からバブル期に住宅を取得された方々にとっては、住まいの更新時期であることも重なり、リフォームの需要は大きく伸びようとしています。また若い人びとがより自由な発想から自分の生活に合う中古物件を探して購入し、好きなように作り替えるという事例も増えてきています。
海外で得たリノベーションについてのキャリアを生かしながら、既成概念に捉われない自由な発想を持った、新しいかたちの住生活をクライアントの方々と実現して行きたいと考えています。

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